内部流班

M2 西山 和希

M1 荻野 晃一, 佐藤 拓, 髙島 涼太郎, 濱﨑 大輝, 増田 圭志

B4 野老山 将悟, 沼野 翔泰, 森下 勇希

ガスタービンは高出力・高効率を実現できるため航空機用ジェットエンジンや船舶用エンジン、発電等に幅広く使用されており、私たちの社会活動を支えています。内部流班では、ガスタービンの一種であるジェットエンジンを主な研究対象としており、実験と数値シミュレーションを合わせて研究課題に取り組んでいます。実験では、ジェットエンジン内部の流れを再現する翼列風洞や小型のジェットエンジン実機等を用いて研究を行っています。数値シミュレーションでは、主にJAXAが開発中の数値流体力学(CFD)ソルバー「UPACS」を用いて研究を行っています。またJAXAに派遣された学生はジェットエンジンの着氷現象や航空機騒音に関する研究を進めています。

ジェットエンジン騒音低減に向けたノズルの開発

M1 荻野 晃一, 濱﨑 大輝, 増田 圭志, B4 野老山 将悟 (2020年度卒 中島 達貴)

航空機のジェットエンジン騒音低減を目的として、排気ノズルの後縁部をギザギザにしたシェブロンノズルが採用されています。しかし、シェブロンノズルには騒音とともに推力も低下させてしまう問題があります。本研究では小型ジェットエンジン (JetCat社製) を用いたノズルの性能実験とコンピュータを用いた数値シミュレーションによって、ジェット騒音を低減し、推力低下を最小限にするようなノズルの提案を目指しています。

小型ジェットエンジン(JetCat社製)

ジェットの流速分布

JetCat の運転動画はこちら

軸流圧縮機の失速特性改善

M1 佐藤 拓, 髙島 涼太郎, B4 沼野 翔泰, 森下 勇希 (2020年度卒 岡 優介)

航空機の原動機であるジェットエンジンの圧縮機には一般に、軸流圧縮機が用いられています。今日ジェットエンジンは燃料消費率の向上が求められている中、圧縮機にも効率の向上などが求められます。圧縮機は扇風機のように羽根が環状に並んでおり、高速回転をすることにより空気を圧縮しますが、環状のままだと遠心力やコリオリ力の影響などの影響が加わってしまい、純粋な翼列の現象を捉えるには非常に複雑な現象となってしまいます。そのため本研究室では環状の羽根を直線に配置した「直線翼列」を用いることでこれらの影響を排除した現象を研究しています。また、実験とコンピュータ解析を用い、お互いの長所を生かしながら研究に取り組んでいます。

学生個別の研究内容はこちら

直線翼列風洞による実験風景

着氷風洞を用いたCFRP電流電熱防除氷に関する実験的研究

M2 西山 和希, M1 武田 明樹 (2020年度卒 岩間 輝佳)

航空機エンジン着氷が生じると、推力低下やエンジンの損傷などが起こります。しかし既存のターボファンエンジンのファンブレードには防除氷対策が行われていません。近年のジェットエンジンファンに炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が利用され始めていることに着目し、CFRP部に電流を印加・加熱することによる新しい防除氷技術の検討を、JAXAとの共同研究により行っています。

CFRP試験片への着氷の様子