皆さんが日常で目にする車や航空機、電車に船などの輸送機器は、現代社会の物流において大きな役割を担っている一方で、環境への影響も指摘されています。外部流班ではこれらの輸送機器を対象として、主にコンピュータを用いて計算を行うことで流体の流れを再現し、様々な研究課題に取り組んでいます。また、本学所有の風洞実験設備を用いて模型回りの流れを測定し、計算結果との比較検証を行っています。現在は翼の空力性能改善や翼から発生する騒音の低減、船舶の推進性能向上を目的として日々研究しています。
飛行機の離着陸時に展開される高揚力装置は、安全な運航に重要な一方で騒音の原因の1つとなります。そこで、音の広がりを解くLEEにより、騒音の大きさや特性を調査し、空気の流れを改善することによって騒音の低減を目指しています。
翼後縁で発生する速度擾乱の確率的模擬
航空機の主翼に取り付けられるフラップは展開することで低速域での揚力を稼ぎ、離着陸時の安全性を高め、滑走距離を短縮することができます。より揚力を稼ぐためにはフラップ角を大きく設定するという方法がありますが、フラップ上面で剥離が発生しやすくなります。本研究ではフラップ上面に回転体を取り付けることで流体に運動量を与え、剥離の抑制を行い、フラップ性能の向上を目指しています。
(上図) 翼モデルの全体像、(中図) フラップに発生した剥離渦、(下図) 回転円筒による剥離渦の解消
本学が所有する風洞実験室では、出力可能な最大風速と設置可能な翼モデルの大きさの関係から、主にUAV(無人航空機)サイズの航空機を対象とした実験環境の構築を目指しています。
本学風洞の全体写真